だあしゑんか チェコ料理・ビール・絵本

[ 不思議な野菜Kedlubna ]
2008/07/13(Sun) 18:56:51

Kedlubna(ケドルブナ)をご存知でしょうか。
コールラビと言えば思い当たる方も多いでしょう。フランス、ドイツなどヨーロッパでは広く食されている、カブとキャベツの中間のような変わった野菜です。千切りにしてサラダにしたり、スープの具にするのが一般的ですが、特にドイツからチェコにかけてはくし型に切ってそのままバリバリと食べるのが好まれます。大きさがちょうどよいものは瑞々しく、ほのかな甘みを感じさせ、ちょうど柿のような食感です(そのせいか、チェコ人には柿好きが多い気がします)。

「不思議惑星キン・ザ・ザ」にでも出てきそうなその外観から、絵本にも時々愛嬌を持った姿で描かれたりしています。

だあしゑんかでは現在、お客様から頂いたKedlubnaの種を菜園で育て、収穫したものを提供しています。冷やしたものをそのまま生食する他、ピクルスにするのも検討中です。興味がおありの方はぜひ店員にお尋ね下さい(数に限りがありますので売り切れの際はご容赦を)。また料理法のアドバイスなども大歓迎です。

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[ アブサン【Absinthe】 ]
2008/03/09(Sun) 22:37:58
 
禁断のお酒、アブサン。名前はご存知の方も多いでしょう。独特の風味を持つ薬草酒で、ほとんどの銘柄で水を加えると白濁するのが特徴。主成分であるニガヨモギに含まれるツヨンに幻覚作用があるとされ、多くの国で長らく製造が禁止されていました。

元々はスイスで作られていたニガヨモギを原料とした薬を、医師ピエール・オーディナーレが改良し、レシピを1797年にアンリ・ルイ・ペルノーに売却したもので、アルコール度数が高く安価であることと、向精神作用に関するまことしやかな噂もあいまって特に19世紀フランスの芸術家達によって愛飲されていました。ヴェルレーヌやロートレックはこのお酒によって身を滅ぼしたと言われており、他にもモネ、ドガ、ゴーギャン、ゴッホ、ピカソ、ヘミングウェイなどがアブサンの虜になったと伝えられています。

1981年にWHOがツヨン残存量を10ppm以下なら許容すると認定したため、製造がおおっぴらに再開され、日本にも多彩なアブサンが輸入されることとなりました。主にフランス製ですが、まれにチェコのものも入ることがあります。

上の写真のようにスプーンの上に乗せた角砂糖にアブサンを染み込ませて火をつける飲み方は、ヒルアブサンのチェコ人プロモーターが考案したそうです。アブサンを置いているバーはそれなりにあってもこの「ボヘミアンスタイル」を楽しめる店は少ないはずです。ぜひ挑戦してみてください。

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[ ベヘロフカ【Becherovka】 ]
2008/03/08(Sat) 14:43:00
Becherovka Bottle
ベヘロフカはチェコ有数の温泉地、カルロヴィ・ヴァリの特産品で、ウォッカをベースとし、20種類の薬草、香辛料、天然水を原料とした香り高いハーブリキュールです。

1805年、保養のためにカルロヴィ・ヴァリを訪れた英国人医師、ドクター・フロブリクが地元の薬剤師、ヤン・べへールが集めていたたくさんの薬草に興味を持ち、協同で何日もかけて元祖消化促進リキュールを完成させました。それ以来、200年間、チェコでは、食欲増進の食前酒、または消化促進の食後酒として親しまれています。ちなみにレシピは門外不出とのこと。


やや癖のある風味は好みが分かれますが、慣れるとやみつきになるとの評判です。常温やロックで味わいを楽しむのもよし、凍らせたものを呷るのもよし。また近年ではカクテルのベースとして注目を浴びており、特にウォッカトニックのレシピを流用した「べトン」は爽やかな飲み口が当店でも好評を博しています。

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[ すべての道はプラハへ通ず その2 ]
2008/03/06(Thu) 00:22:04

人生初の海外旅行はコペンハーゲンでの乗り継ぎ(カールスバーグの美味かったこと!)からプラハの空港、バス、トラム(路面電車)、街並に至るまで何もかもが物珍しく心浮き立つことばかり。プラハは街全体が世界遺産として登録されており、観光しようと思えば幾日を費やしても足りませんが、何はともあれビールビール。

空港のスタンドや宿の近くのバーで早速ウルケル樽生をひっかけてみましたが、正直こんなものかという感じ。やはりきちんとコンディションを整えているビアホールでないと「本物」には出会えません。翌日襟を正し、まずは前哨戦として創業から500年を経過した老舗中の老舗、「ウ・フレクー/U Fleků」へ。ここでしか飲めない精妙な味わいのある黒ビールを出しており、ビールの種類はこれだけ。だいたいにおいてチェコで名の通ったビアバーはピルスナータイプかシュバルツ、デュンケルだけ、またはその両方のみを置いているところがほとんどで、日本のように何種類ものタワーを並べているところは少ないのです。

上の写真が「ウ・フレクー」のビールです。修道院を改装した派手な外観もあってかなり観光ルート化されたお店ではありますが、ビールの質は矜持を保っています。余談ですがこの店では黙っていてもビールを頼む前に薬草酒「ベヘロフカ」が出てきます。特に飲みたいと思っている方でない限り断ったほうが賢明です。

さて、お次はいよいよ今回の旅行の目的地のひとつ「黄金の虎(ウ・ズラテーホ・ティグラ/U Zlatého tygra)」ヘ。千野栄一「ビールと古本のプラハ」に詳しいですが、ここはビロード革命の揺籃となったのもさることながら、プラハで一番美味いウルケルを出していると自他共に認める名店なのです。ビール好きでプラハに来る機会があればぜひとも寄りたい聖地ではありますが、なにしろ地元の常連客が全ての曜日に飲む場所が決まっていると言われているほど敷居の高いところです。席が見つからず泣く泣く引き返した日本人客も多いと聞きます。はたしてすんなりと座れるのでしょうか?

(続く)

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[ すべての道はプラハへ通ず その1 ]
2008/03/05(Wed) 22:52:52
店主への質問で最も多いものが「なぜチェコなんですか?」「なにからチェコに興味を持たれたんですか?」というものです。答えは単純で「ビールなんです」。
ビールの歴史をかじった方なら、現在日本で飲まれている「普通のビール」いわゆるピルスナータイプの原型がチェコのピルゼン(プルゼニュ/Plzeň)にあることをご存知かもしれません。また、豆知識としてビールの一人当たり消費量の世界一がチェコであると聞いた方もいるでしょう。
私が最初にチェコビールと出会ったのは、そのへんの酒屋で気まぐれに買い求めたピルスナー・ウルケルの瓶でした。下の写真をご覧下さい。


左が現在の当店の看板ビール、エーデルピルスです。日本のものにしては麦芽を贅沢に使用した逸品ですが、右のピルスナー・ウルケルをご覧になると如実に色の濃さが違うのがお判りになると思います。まずグラスに注いだときの色、そして香りの強さ、もちろんがっしりとした味わいに至るまで、飲みなれた日本のビールとは全く異なる趣にいっぺんに魅了されました。本当にこれが同じビールなのだとしたら、これまで飲んできたものは一体何だったのだろう。瓶でこれだけ美味いのなら、現地の樽ははたしてどれだけ美味いのか。
そう思い立つと矢も盾もたまらず、当時勤めていた蕎麦屋を辞め、初めての海外旅行、初めての飛行機、チェコ語はおろか英語もろくに話せないという困難を押し、単身チェコへ旅立ったのでした。

(続く)

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